メイプルウッド・ロード
                     
#2番外編

 〜ムーンライトヘブン☆〜

(4)

 智也の身体の上に、逆向きに仰向けになり―――

「………はぁはぁはぁ……」

 眼鏡の奥のうつろな瞳で天井を見つめたまま、荒い息つく葉月。

 玉の汗が浮かぶ豊かな乳房を上下させ……。

 いまだ下から、智也の舌の刺激が伝わってくるが、今ので身体は軽い絶頂を迎えたの

だろうか……ともあれ、感覚的にはひと段落ついた模様。

 そんな朦朧とした意識の中、体のたゆみで頭がごろりと転がり…

「………あ……」

 目の前には、膨らんだ智也のチノパン。

「………。」

 葉月はほとんど反射的に手を伸ばし、

 つぅ〜。

「……っ。」

 ズボン越しに来た細い指先の感覚に、智也の動きが一瞬停まる。

 その間隙をついて、

 かちゃかちゃ…じー。

 ベルトを外し、ファスナーを下ろして………

「んふ……」

 いつもの葉月の冷笑が、智也の耳に届いたような気がした…その瞬間、

 ちゅっ☆

 雄雄しくも屹立したその中腹に、葉月の柔らかな唇の感触。

「ん……」

 智也の表情が歪む。

 またその間、智也の腰を押さえつける力が緩んだのを見計らい、葉月は不自然な体

勢を直すべく、身体をよじってうつ伏せになった。

 そして…

 壊れ物にでも触れるように、優しくそれに手を添え、まさぐりつつ…

 …りゅっ…りゅっ…… 

 ゆっくりと、上下にしごき始める。

 まだうつろな…だが熱っぽく潤んだ瞳をそこに固定させたまま、舌を突き出し、

「ん…んん〜……」

 熱い柱にぬら〜っと唾液の軌跡をつけつつ、横向きに顔を倒しながら、その根元を

食むように唇を開いて舌を絡みつかせる。 

「んぅっ」

 たまらず、呻く智也の声と共に、智也のモノはますます熱く膨れ上がり……

 …りゅっりゅっりゅっ。

 さらに、それを促進させるように、葉月のしごくスピードが増していく。

 やがて、幾時も過ぎないうちに、智也の先端にキラリ透明な液が輝き…

「ん…む…」

 葉月は、顎を突き出すようにして、伸ばした舌先でそれを舐め取り、

「あむ…」

 まさに、先端から食べるように…、ゆっくり…はむはむと、段階をおいて唇を開閉させ

つつ、口内に深く収めていく。

「……っ!!」

 熱くねっとりとした感触に包まれ、智也の全身に痺れるような快感が走る。

 だがそれでもなお、葉月の『仕事』は終わっていない。

 ちゅぷっ…ちゅぷっ…

 淫らな水音を響かせ、口の中に取り込んだそれを、舌…そして口内のあらゆる部分を

使って弄び……

 また、その傍ら、空いた片手で、その下の…男だけの柔らかなふくらみを、5指全部を

使って、

 ふにゅふにゅ…と……

「……!?……んんっ!?くあぁっ!!」

 全身が総毛立つような極上の快感に、震え上がり、苦悶の一声を上げる智也。

 むりもないことだろう……男の…いや、智也の感じる箇所を全て知り尽くしているかの

ような、葉月の秘戯。間断なくうごめく葉月の口唇…そして指は、舐め・噛み・吸い・撫で

・扱く…といった、ありとあらゆる動きをもって智也のモノを弄び―――

 しかも、そのひとつひとつの動きにおざなりなものは全くなく、全ての動きが結びついて

いるかのように絶妙なコンビネーションを以って、その『部分部分』を的確に、かつ濃厚

に攻めてくるのだから……。

 そんな、絶え間なく押し寄せる快感の激流に…

(う…く…っ…た…タダモンじゃねーとは…思ってたけど……)

 眉をしかめ、あからさまに表情を歪める智也。

 とはいえ、このまま終わらせられるわけにもいかない。

 智也は、さらに過熱する葉月の指と口の技に耐えつつ、苦しげに顔を起こし、

「……くっ…」

 妖しく揺れる両の乳房の向こう側、今まさに葉月がなしていることを見やりつつ、

「…ん……」

 濡れそぼり、淡い光に輝く草むらを震える舌先でかき分け、

「…んっ……あ……

 智也の舌は、再度葉月の中に深々と沈んでいった……。

    

 そして、いく時も過ぎぬうち……。

「ん…んふぁ…っ…!…や…ぁ……か、かんじる………感じ…る……」

 ぎゅぅっとその根元を握りしめたまま、先に音を上げたのは葉月だった。

「声…出ちゃう…ん…あっ……ああっ……」

「出てるじゃん声…」

 葉月の口の攻撃が弱まったのを機に、自らも麻痺しそうな下半身の快感に耐えつつ、

軽口をたたく智也。

 半身を起こし、

「んあっ…ち…ちがう…ちがうの……こ、こんな…んぅっ…」

「……へぇ…?」

 また、何かを必死に耐えるように小刻みに震え、首を振り振り言う葉月の手を取り、

「…こんな…もんじゃないって……?」

 したり顔で微笑みつつ、もはや力の抜けきった葉月の身体を、ぐいっと引き寄せ、

再び正位置に…自分の身体の上に乗せる。

 ふわりと低空で舞い『着地』した豊かな乳房が、智也の胸でやわらかく押し潰され…

「きゃ……あ…?…あっ…あっ………」

 軽々と、自分の身体をコントロールされ、葉月の顔に驚きがあらわになる…が、

 それもつかの間。

「……葉月…」 

 智也は、驚き顔の葉月をじっと見つめながら、互いの体の間に差し入れた手を、自分

のモノに添え、

「え…?あ…と、とも…や……?」

 ……にゅる…っ……

「ひ……や…やめ………ん……ぁ………!」

 …ずんっ!!

 躊躇する間もなく、下から深々と突き上げるように来た熱い衝撃に、葉月は…

               

(5)へつづく