しようね☆Z〜ぐっど・も〜にんぐ☆〜(1)

 

朝…

カーテンの隙間から差し込むまぶしい真夏の陽射し…

窓の外では、軽やかな鳥の鳴き声…スズメだろうか…。

「ん…あむ………」

昨晩、客に飲まされた酒が多少残っているが、まあ比較的清々しい目覚めである。

ん…まあ、なんとなくちょっといつもより早いような気がするが…

「…ん」

じわっと肌にまとわりつく空気を感じ、俺はエアコンのリモコンに手を伸ばしつつ、

「ん…と?」

壁掛け時計に目を移す。

時計の針は、7時を少し回ったところを差していた……

ちなみ夜の仕事ゆえ、俺の平均起床時間は10時くらいである。

……げ。本気で早いじゃん…。

なぜにこんな時間に目覚めたのか…自分で自分に感心するやら呆れるやら…、

ともかく、まだ2時間は眠れる…俺は、もう一度布団に潜り込むことにする。

……とそこへ、

ちゃらららん〜ちゃら〜♪

ケータイの着メロ…メールの方の着信音である。

反射的に俺は、枕元…充電器に乗せられたケータイを手にする。

ぴ…。

寝ぼけ眼で見つめる小さな画面。

そこには、いろんな形のハートマークが散りばめられた、らいかからのモーニングメッセージ☆ 

ちなみに、モーニングコールにしないのは、朝が遅い俺へのらいかの気遣いである。

……でへへ☆

ま…まあ、それはともかく、いつもは出勤間際に、あわただしく返事を書くのだが、今日はたっぷり時間がある。

それに、たまには、俺も早起きするということを、らいかに知らせてやりたい☆

…そんなことを思いつつ、握り締めたケータイを手に、俺はユルみきった顔でベッドに横たわる。

至福の気分に包まれて…。

だが…

「え〜っと、『おはよ〜☆』それから…えっと……ZZZ」

寝起きゆえ、頭の方はまだ今ひとつはっきりせず、気の利いた返信メッセージが浮かばぬまま、俺は心地よい睡魔に絡め取られていった……。

そう、二度目の着メロが、その手の中で奏でられたのも気付かず……。

 

そして、

……ちゅ☆

いつしか俺は夢の中のらいかにキスされていた。

ぼぉ〜っとぼやけた視界…だがそれは、確かにらいかであることを脳が認識している。

俺は、そんなおぼろげな感覚をより確かなものにするために、まどろみの中…夢の中のらいかをきつく抱きしめた。

…まあ、おそらく掛け布団かなんかを抱きしめているんだろーが…。

そんな、マヌケな自分の姿を思い浮かべつつも、この…夢と現実が交錯するなんともいえない心地よい気分に包まれて、

「好きだよ…らいか…」

俺は夢の中で、普段なら絶対自分から言わないセリフを口走っていた。

……はは…夢の中とはいえ、テレるな…なんか……。

また、面白いことに、うつろな思考の中、俺は自分の唇が動くのを感じ、耳ははっきりとそのハズカシー言葉を捉えていた。

すると、

「えへへ…らいかも好きぃ〜☆」

軽やかにうれしそうならいかの声…と、同時にのしかかるらいかに俺はきつく抱きしめられ、

ちゅ☆ちゅ☆

唇に柔らかな感触……って、おい?ちょっとリアルすぎないか……?

「ん…あ…?」

疑いをもったことで、まどろみが途切れ、俺はうっすらと眼を開ける。

そして目の前には…………

「にひひひひ〜☆たけあき…おはよ☆」

窓から差し込む陽射しに照らされ…嬉しそうに微笑んでいる現実の……らいか…?

え…ええええええ〜っ!?

驚きと困惑と、また立ち込めるらいかの甘い香りで、びっくりしたり、へなへな〜☆っとなったり……。

ともかく目まぐるしい感情の変化とともに、俺は完全に目覚める。

と、とにかく状況確認…

「え…あ…ら…らいか……?な…なんで……?きょ…今日、平日だろ……お前…会社は?」

クエスチョンマークだらけの頭を振り絞り、とりあえず思い浮かんだ疑問を口にする。

すると、らいかは、おもいっきり呆れたような顔になって、

「ん〜?なに言ってんの〜?こないだ休日出勤したから、今日は代休…たけあきの部屋、ソージするって…昨日も言ったじゃん!」

「え…あ…そ…そーだっけ?」

「そーだよぉ…それに、ちょっと前にメールだって入れたのに…」

「……え?」

やや膨らんだ頬で言うらいかに、俺は顔の真横…枕に乗ったケータイに目を移す。

そこには確かに、『今から行くからね〜☆』という、らいかからのメッセージが……。

「あ…ほんとだ…」

「たくもう…。えへ☆だから…ずっとこーしてたいけど、そろそろ起きて☆ ほら、シーツとか洗濯しちゃうから…」

顔をほころばせ、再び照れくさそうに笑うらいか。

えっと…こーしてたい…って?あ…ああ、そっか。

一方、マヌケな話だが、俺は今さらながらに、伸し掛かるらいかの身体をいまだ抱きしめていたことに気付く。

「あ…ああ…ごめん…」

戸惑いぎみに手を緩める俺。

ほわわ〜ん☆

身を浮かせたらいかの甘いシャンプーの香りが、顔の周りに舞い落ちる。

また、

「へへ…おソージするから、借りちゃった☆…いいよね?」

俺の身体の上で四つんばいになり、イタズラっぽく笑うエプロン姿のらいかが身に付けているのは、アーミーっぽい俺のモスグリーンのタンクトップと黒いタイトなショートパンツ。

ちぇ、相変わらずちゃっかりしてやがる……ってゆーより………お☆

ちなみに、俺はかなり大柄な方である。ゆえに、いくら女の子の割に身長があるらいかとはいえ、それはだぶだぶで……

おおっ☆

そう、胸元でUの字に垂れ下がった茶色の布地の奥には、肩ヒモのない紫のブラに包まれた95cmDカップが揺れていた。

へぇ…らいかにしては、珍しい色じゃん……などと、のんきに分析してる場合では、むろんない。

ただでさえ、寝起きで理性のタガがユルみまくってるこの状況で、俺のすることは、ひとつしかないだろう。

……いやまあ、寝起きじゃなくてもひとつだけど。

ともあれ、俺はすかさず、四つん這いの身体を支えるらいかの片方の手を取り、

「え…?あん…っ!」

ぐらり…体勢を崩し、俺の上に崩れ落ちてくるらいかを抱きしめる。

「へ…?あ…ちょ…たけあき…だめっ………ん…っ!あむぅ…っ」

次いで、合わせた唇から舌をねじ込んでいき……

「ん…んぁ……☆」

やがて、天日にさらされた氷が溶けゆくように、らいかの抵抗が弱まっていく。

絡み合う舌と舌…エアコンの程よい冷気にさらされつつも、二人の体温が上がっていき…

「はぁぁ……たけあきぃ…」

ころあいを見て、俺はらいかのエプロンのヒモに手をかけ……

「あ……や…やだ…キスだけ……」

俺の狙いがわかり、頬を染め、やや慌てたような顔をするらいか。

…おっと、ここで正気に戻られても困る。

俺は、再度らいかの唇を奪いつつ、グリーンのタンクトップの中へ手を差し込んでいく…。

「んあ…や…やぁ…ん……」                             

ちいさな悲鳴を上げるらいかの身体を、横向きに倒しつつ、差し込んだ手でふくよかな乳房を弄ぶ。

「あ…ちょ…た…たけあ…き…し…しごと……」

 

(2)へつづく