ロフト・イン・サマー・U
〜月明かりのテラスにて〜
(2)
「あ…はあ…」
Tシャツの布越しに感じる剛の大きな掌。乳房をまさぐられ、揉みしだかれるその
度に、真子の心はときほどかれ、脳裏には昨晩の興奮が鮮烈に甦ってくる。
…あなたの指の動き、ひとつひとつが、私の身体をこんなにも熱くさせる……
そんな思いを伝えたくて…また、ともすれば、込み上げてくる何かに押し流されそう
になる自分を押さえるため……真子は昨日と同じように剛の股間へと手を伸ばして
いった。
「あ……」
スウェットパンツ越しでもはっきりとその中身の形が分かるほど、剛のその部分は
堅く大きく隆起していた。
指先にその脈動が伝わるほど猛る剛のソレは、普段より熱を帯びているはずの自
分の手のひらより、まだ熱い……
著しい男の身体の変化に、真子は驚きを隠せぬまま、まだ慣れない手つきで、まさ
しく腫れ物に触るように、その部分をまさぐっていく……
一方、そんなことはおかまいなしに……というより、或いは真子以上にそんな事に
気が回らないほど高ぶっていたのか、剛は、真子の首筋に顔を埋めたまま、乳房
の愛撫を続けていた。
すでに、剛の手は真子のTシャツの中に潜り込んでおり、当初はたどたどしく動い
ていたその指も、今はいいように真子の乳房を弄んでいた。
ねめつけるような剛の指の動きが、たわわな真子の乳房の形を自由自在に変えて
いく。
「は…ァッ…! …や…っ、あはぁ…ッ…ん…っ…」
感極まり、大きく身体をのけぞらせる真子。
「おっと……」
そのまま崩れ落ちそうになった真子の身体を支え、剛は身体を入れ替えて、真子
をフェンスに寄り掛からせた。
「え…えっ? あ…ちょ…」
くるんっと身体を回され、真子が驚くいとまもあらばこそ、剛は、素早く彼女のTシャ
ツをたくし上げ、胸元に顔を埋めると同時に、堅く尖ったその先端を口に含んだ。
「んぁぁっ! く…っん…!、だ…だめ…、ず…ずるい…よっ、ああっ……」
乳首に走った痺れるような感覚に耐えながら抗議の目を向ける真子。
今の動きで剛が身体を折り曲げてしまったため、真子の手は狙いの場所に届かな
くなってしまったのだ。
だがむろん、そんな真子の抗議は受け入れられるわけもなく…
「ふふーん、何がずるいって?」
真子の乳首を口に含んだまま、剛は意地悪くそう言うと、わざと派手に音を立てて
激しく吸ったり、こちらを凝視する真子に見せ付けるように、舌全体で転がすように
堅く尖っ たものをねぶり回した。
「くっ…! んああっ…! や…いやぁっ…! あふっ…! ふむ…ぅっ!」
突如押し寄せてきた耐え難いその感覚に、慌てて口を手で塞ぐ真子。
むろん、その間にも剛の愛撫は緩やかに、そして大胆に進んでゆく。
名残惜しそうに、乳首から唇を離すと、剛はそのまま、なめらかな起伏に沿って舌
を這わせ、真子の身体を下へ下へと降りていった。
「え…、た…剛…? いやぁ…、そ…それは、だめぇ…いやぁ…んっ…、はぁっ…!」
つぅーっ、と腹部を通り過ぎていく剛の舌の感覚で、その狙いに気付いた真子は、
慌てて剛の頭を押さえ付ける……が、
「ダーメ…昨日お前がしてくれたのとおんなじことしてやるよ…☆」
言って、剛は真子のおへそ辺りでぐるり舌で円を描き、ジーンズのショートパンツの
ボタンに手を掛けた。
「ああんっ、だめえ……」
反射的に真子はきゅっ、と足を閉じたが、その動きが逆にジーンズの緩みを誘い、
かえって剛の作業をやりやすくしてしまった。
するり…と、膝辺りまでショートパンツを引き下げられ、薄闇の中、その中心に淡い
陰りを持った三角形の白い布が露になる。
そして……
「ホラ、これは……?」
剛は口をとがらせて、布越しにその淡いかげりへと熱い息を吹き掛けた。
「んっ…ぅう…ぅ…、はぁぁぁぁ…ん、ぅ…はぁ…、た…たけ…も…もう…やめて……は
…恥ずかしい……よ…、あぁ…ん」
身体を小刻みに震わせ、潤んだ目で哀願する真子。
だが、そんな訴えが聞き入れられるはずもない。
「お? なーに言ってんだか……昨日俺がそう言って、お前やめてくれたか?」
「で…でも……」
「でも……? でも、なんだよ…ほら……」
剛は面白そうに真子の顔を見上げながら、その部分の布をずらすと、舌を中に差
し入れた。
「ひ…ァッ……! ぅっ…ク ぁぁぁ…っ! ひぁぁぁぁ……はぁん…っ…ぅ…」
ぬめり……と入り込んできた剛の舌に、声にならない鳴咽を上げる真子。
がくんっ、と両足から力が抜け、ずり落ちそうになる身体をフェンスに絡ませた両手
で必死に支える。
そして剛は真子の足の力が緩んだその瞬間を見逃さず、素早くショーツに手をか
けると膝のところで引っ掛かっていたショートパンツもろとも、一気に引き下ろした。
「ああっ! い…いやぁ……み、見ないで…ぇ…」
瞬間、フェンスの丸太に絡ませた両手が外れず、立ったまま、あられもない姿態を
さらす真子。
月明りの中、木の床に滴り落ちた一雫が妖しく光り、やがて小さな染みとなった。
「…う………」
股間に戻った剛の頭に阻まれ、今更隠すことのできなくなった真子は、潤んだ瞳で
ただじっと恨めしげに剛を見下ろす。
そして、そんな真子の表情がさらに剛の戯謔心を煽った。
「え…な…なに?」
太ももの裏側からかかる妙な力に驚き慌てる真子。見れば剛が自分の片足を持ち
上げようとしているではないか。
「ちょ…ちょっ…と…剛…? や…やめ……」
真子は必死に抵抗するも、先程からの愛撫で足に力が入らず、やがて、ひざを折
り曲げた格好のまま、片足を高々と掲げられてしまった。
剛の眼前で、大きく開かれた真子の秘部が月明りに照らされ、きらきらと光る。
(うわぁ………)
そのなんとも煽情的な光景に、思わず見とれてしまう剛…だが、すぐに思い出した
かのように、掲げた真子の足をかいくぐるように首をひねって潜り込み、目指す部分
に唇を寄せていった。
「あ…あ…あ…ああっ…や…やめて剛…お願…い…ぁ…ああああっ!!」
下から覗き込むような格好で股間に顔を埋めてくる剛に、激しく抵抗する真子だ
が、地に着く足は片足、両手は身体を支えるためにフェンスにつかむのに手一杯
で、結局どうすることもできない。
できることと言えば……
「ば…ばかぁっ…スケベッ! 変態っ! や…やめなさいよっ! た…剛ぇっ!!」
田に立つカカシのような格好で、ただやみくもにわめいて、剛の行為を阻止しようと
することだけ。
むろん、そんな言葉が今の剛に通用するわけもなく、むしろ浴びせられた罵詈雑言
のお返しとばかりに、開いた口から伸ばした長い舌が真子の股間で蠢き始めた。
「はぁぁぁ…んっ! ひっ…? いやぁ……はふぅ…ん…ホ…ホント…だ…だめぇ
…! ハァァァァァーッ!」
首から上をフェンスの外にまでのけぞらせ、絶叫を上げる真子。耐え難い恥辱と、
頭の芯まで痺れるような快感が入り交じり、気が狂いそうだった。
「ああっ…あふっ! んああぁぁんっ! は……あ……あ…あ…ああああーんっ!」
大きく見開かれた目で何かを求めるように虚空を見詰めたまま、真子は蠢く剛の
舌に操られたかのように喘ぐ。
(……ん? これは…?)
舌の動きに没頭する中、剛はその上部に、乳首をやや小さくしたような突起がある
のに気付いた。
「ん……」
剛は、尖らせた舌先でそれを軽くつついてみる。
すると……
「………ッ?! ひっ…ぃぃぃ……っ! はあああぁぁぁっ!!」
ネジの切れた人形のように真子の身体が硬直し、わなないた全身からすべての力
が抜けた。
「はぁぁぁぁ……ぁ……ぁ…」
腰砕けになり、フェンスに沿って、ずるずるとへたり込む真子。
顔をうつむかせたまま、身体を小刻みに震わせて………
(3)へつづく。