しようね☆W〜パラダイスナイト☆〜(5)

 

「ん……んん……」

もはや片時も離さんとばかりに重なり合う二人の唇……互いを求め絡み合う舌と舌……

そんな長く甘いキスを経て、

「ん……っ」

俺は唇を合わせたまま、上に乗っているらいかと身体を入れ替えようとする。

が、それに気付いたらいかはぱちっと目を開け、

「んんっ……。あ…だぁめ☆」

少しだけ身体を起こし、両手で俺の動きを制して、

「えへへ…じっとしてて……今日はらいかがするの……」

頬をほんのり紅く染め、はにかんだように言うらいか

「え……?」

「んふふふふふ…☆」

含んだような笑みを漏らしつつ、らいかは、言われた通りじっとする俺のTシャツをたくし上げていき、

つぅぅぅ〜。と徐々に露出していく肌に舌を這わせていく。

「うう…っ」

俺は金縛りにでもなったように、されるがまま。

小さい子供が母親にされるように、Tシャツを頭から抜き取られ…

やがて、らいかはひとしきり俺の上半身を弄んだ後、首筋から胸…下腹へと舌を這わせつつ、頭を下へ降ろしていく……

するるっ…

同時に伸びてきたらいかの両手が、俺のスゥエットとトランクスを下ろし……

……って、え?

あまりの気持ちよさに、恍惚となってしまい、ぼーっと身を任せていた俺だが、にわかに感じた下半身の肌寒さで我に返った。

「え…ちょ…ら…らいか?」

半身を起こし、すでに俺の股間に顔を埋めようとしているらいかに、驚きの声を浴びせる俺。

だがらいかは、そんな俺に、

「ふふふ……」

まさに、頭の芯まで痺れるような、ゾクッとした笑みを浮かべ、

「ん…あむ…」

なんの躊躇もなく、その艶やかな唇で『俺』を包み込んだ。

ぞくぞくぞくっ!

「ん…うぅっ!」

身を縮こまらせて呻く俺。

寒気にすら似たなんとも表現しがたい感覚が股間から全身を駆け上り、

「ん…っく……はぅぅぅ…」

次いで覚えるぬめっとした感触に、俺は陶酔しきった熱い吐息をもらし、押し寄せるこの信じられないほどの快感の波に身をまかせていく。

―――むろん、らいかにこんなコトをされるのが初めてなわけではない。

が、しかし、以前してもらったとき、らいかはあまりいい顔をしていなかった…というより、はっきりいってイヤそーだった。ゆえに、俺もそれ以来……もちろんしてもらいたいのは山々だったが、あえて自分からは求めないようにしていたのだが…………

…と、今はそんな余計なことは考えずに、この感触に集中しよう。この次いつしてもらえるかわかんないし……。

かくして、

「はぁ…はぁ…ら…らいかぁ…」

忘れて久しいらいかの温かい口内の感触に酔いしれ、俺のボルテージは一気に高まっていく……。

ぴちゃぴちゃ……

薄暗い車内に響き始める淫らな水音。

その可愛らしい舌で、丹念に俺のモノを舐め上げていくらいか。、

「んんー?」

口に含んだまま、何か言いたげに俺を見つめる。

「ん…あむ…んむ…?」

どうやら、「気持ちいい?」と聞いているようだ。

もちろん、いいも悪いもない。はっきり言ってこの愚問中の愚問に、

「………。」

声も出せず、快感にゆがむ顔をこくこくと頷かせる俺。

すると、らいかは、俺のモノを咥えるその口を、にぃっ、と笑みの形に変え、

「にひひ…」

と、含み笑いを漏らしつつ、その部分に歯を立てる。

え……?そ…それは…ちょっとコワいんですけど……(汗)

「んふふ……コワい?」

尖らせた舌先で『裏側』をちろちろとくすぐつつ、わずかに青ざめた俺の顔を面白がるように言うらいか。

「………。」

俺は焦りまくりながら、またしても……今度は別の意味で声が出せず、こくこくと首を頷かせる。

すると、らいかは満面の笑みを浮かべつつ、あーん、と大きく口を開いて………

え…?ちょ…や…やめ……。

「ひっ!」

本気で噛みつくような仕草を見せたらいかに恐れおののいて、情けない声を上げてしまう俺。

そして、歯が触れる寸前で動きを止めたらいかは、

「ぷっ…くくくくくくくく……あはは☆たけあき、おもしろ〜い☆」

お…おもしろくないっ!マヂで怖かったぞ。いまのわ。

目を白黒させ、いまだビビリまくってる俺に、

「きゃはは…えい!」

らいかは手にしたそれを指先でピンっと弾く。

「うっ!」

なす術もなくあえぐ俺。反面、恐怖で萎えかけた「それ」は、そんならいかの一撃で再び元通りに屹立する。

う〜、完全にオモチャにされてる……ん?

また、そんな風に俺が臍を噛んで悔しがってる合間にらいかは、なにやら傍らのポーチに手を突っ込み…

がさがさ。

「あ……」

軽い驚きを口にする俺の目線の先、らいかの手の中には、円形がぴったり貼り付いた正方形の袋……。

ぴりり…

封が切られ、

ぴと。

俺の先端にひんやりと冷たい感触。次いで、くるくるつるる…と薄いものが被さってくる……

「さ…、これでおっけー」

「お…おっけーって、らいか、いつの間にソレのやり方…っつーか、何で知ってんの?」

「うん、だってこないだたけあきがしてるとこ見てたもん」

唖然としつつ尋ねるややおかしな俺の質問に、しかしらいかはあっけらかんと答える。

……って、見るんぢゃない!そーゆートコを。……ってゆーか、コレはコレで、空気入れねーよーにとかで(?)けっこーややこしいのに、一回見ただけでこんな完璧に?……ったく、そーゆーことはすぐ覚えんのな。らいか(笑)

もぉ、俺は呆れるやら感心するやら……。はっきり言って何も言うことはない。

そしてらいかは、そんな俺の複雑な心境(?)をよそに、再び俺の上に馬乗りになり、

「いーい?今日はらいかがたけあきを犯すんだからね〜。たけあきは動いちゃダメだよ」

はいはい。もー好きにしてちょうだいよ。

どっかで聞いた風なことを言うらいかに、半ば投げやりに思う俺。

ふと、目線の先に、淡い光に照らされたシンシアブルーが揺らぎ、通過していく。

「あ……」

おかしな話だが、このとき、今更ながらに俺は今から何をするのか…いや、されるのかを思い出した。

その直後、

ぬるる…

ゆっくりと腰を下ろしたらいかに、俺は包まれていた……

ねっとりと熱い蜜があふれる、やわらかならいかの「中」に……。

 

「ん…ぅ…はあぁぁ〜…ん…」

俺を迎え入れ、いつにもまして、なまめかしい悦びの息を吐くらいか。

「くぅ…あぁ……」

ややシラけモードに入っていた俺の頭が急転し、股間から来る刺激に全身がざわめき立つような感覚を覚える。

「ん…ぁ…ふ…ふふっ、ど…どう…?される気分は……んっ…あ…はぁ…」

遠慮がちに腰を動かしつつ、無理に妖艶な笑みを作って俺を見下ろすらいか。

自分も感じてるくせに、それを隠そうとしてるところがすごく可愛い。

「ああ…気持ちいい…………よっ!」

俺は静かに言った言葉の最後で、強く腰を跳ね上げる。

「…んぁっ!?……あぁっ?だ…ダメっ…ず…ずるい…あ…はぁぁぁ…んっ!」

俺の上で身体をバウンドさせ、突然の衝撃に顔を歪めつつ非難の声をあげるらいか。

いつもなら、ここで激しく上下する乳房が見れるところだが、今は服を着てるため。残念ながら。

うーん、脱がせちゃおうかな…とも思ったが、一応こんなトコだし何があるか分からないので、それは我慢しておく。それに、初めて知ったが、服を着たまま…というのもこれはこれでけっこー刺激的なものがある。

特に、少し捲れたスゥエードのスカートの裾から覗く、らいかの白い太ももに跨られてる光景はなかなか……

……と。あ、そーだ☆

「へへへ…」

ふとしたイタズラ心から、俺はそのスカートに手を伸ばし捲り上げようとしてみる。

「んっ…あ?……や…やぁん…」

思ったとおり、慌てて俺の手を制し、恥ずかしそうな表情を浮かべ、にらんでくるらいか。

うーん、可愛い☆

……けど、何で恥ずかしいんだろ?いつもは脱いでんだぞ。

多分、ビミョーな女心…という奴なのだろうが、俺にはよく分からない。

「もぉ〜、えっちぃ……」

一方、同じコトをさせないためか、らいかは身体を伏せて俺の胸に伸し掛かってきた。

露出した俺の胸元、ブラウス越しにらいかの乳房が押しつぶされる感触が伝わる。

くぅぅ〜、これもまたなかなか……。

などと、俺がのんきに感動していると…

つぅぅ〜。

すかさず、長く伸ばしたらいかの舌が俺の胸を這いまわり始めた。

「んん〜」

乳首の回り、円を描くように舌を蠢かせるらいかに、

「ん…うぁぁぁ…」

「ん…ふふふ……☆たけあき…女の子みたいだよ……☆」

からかうように言って、イタズラっぽい笑みを浮かべるらいか。

「ん…く…う…うるせ……っ!」

「きゃっ!…んっ…んあっ…はぁ…んっ!」

悔しさから、またも腰を動かしてらいかを懲らしめる俺だが、この体勢ではさっきほど強く腰をバウンドさせることはできず、また……

「あぁっ…ふっ…んっ…い…いいもん……ら…らいかだって……んん〜」

「う…くっ……」

なおもムキになって舌を這わせ、また自ら腰を前後にスライドさせてくるらいかに、俺の動きは半減してしまう。

といっても、それはらいかも同じコト。

半減したとはいえ、跳ね上がられる俺の腰の動きによって、執拗に舌を這わせる傍ら、らいかはその顔を歪め歓喜の嗚咽を漏らしていた。

こうして、不毛にさえ思える攻め合いを続けながら、お互いの身体を求め合い高まっていく俺とらいか。

薄暗い車内に、たちまち熱気が満ち溢れ、黒いスモークウィンドウが見る間に白く染まっていく……。

そして、先に折れたのは、らいかだった。

「んああっ…も…うごいちゃだめ……って…あ…言ってるのにぃ〜………」

ぴったりと密着させていた身体を起こして、悔しそうに俺をにらむ。

よーするに、さすがにたまらなくなったので、当初の予定通り、上から俺の動きを封じようという考えなのだろうが、

これは、俺にとって待ち望んでいた展開。

両手を下腹あたりについてらいかが、俺の動きを制しようとしたその瞬間に、

ずんっ!

と、ひときわ強く腰を跳ね上げてやる。

「ひぁっ!!はぁぁ〜〜〜っ!」

驚きとその衝撃で、身をのけぞらせるらいか。

さらに、

ずん!ずん!ずん!

シートのスプリングを利用して、俺は絶え間ない腰の突き上げを開始する。

「ひぁっ!ああっ!んああ!ちょ…だ…だめェ…っ!あ…あふぅ…っ!や…やぁ…やめ……はぁぁ〜っ!」

非難の声を上げつつ、なんとか体勢を整えようとするらいかだが、間断ない俺の腰の動きに、たちまちその語調は

甘い喘ぎに変わっていく。

そして、俺はとどめとばかりに、持ち上げるように両手を伸ばし、ブラウス越しに捕らえたふくよかならいかの乳房を、激しくもみしだく。

「あっ…ああっ!や…ず…ずるい…あ…んっ!…や…やだ…い……いい……す…すご…あっ…はぁ…ん…」

結局、俺の思い通りになってしまった…という悔しさもあるのだろう、時折、見下ろす俺をにらみつけながら…

だが、やはりこみ上げてくる感覚には勝てず、らいかは悦びの表情をあらわにしていく。

その一方、俺も今日はいろんなこと(?)があったせいか、いつもほどの余裕は持てず……

また、身体の上、服のまま悶え喘ぐらいかの恥態に、想像以上の高まりを覚えてしまい…

「…っ!」

乳房から腰へと手を移し、丸みを帯びた曲線を辿り……、

「ん…あっ?…た…たけあき…や…やぁ…ん……っ?はぁぁぁっ!」

スカートの中に潜り込ませた両手で、やわらかならいかのお尻をわしづかみにして、

「ら…らいかっ!」

「う…うん…っ…い…いい…よ…きて……あ…は………ら…らいかも……もう……」

察したらいかが『その時』に備えるのを見計らって、俺は渾身の思いと力を込めて、腰を突き上げた。

そして、おそらく、もうあと数回もできぬだろうその動きに、

「う…あああぁっ!はぁぁぁっ!や…やぁぁぁっ!い…いく…いっちゃ………」

びくびくびくっ!

狂おしいほどに身を震わせ……らいかは感極まったその頂点で一瞬、硬直し、

「あ………はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

俺の胸へと崩れ落ちてくる。

「っくぅぅぅ…!」

ぎゅっ!

交差する四本の腕が互いの身体をきつく抱きしめ合い、達した二人の震えが共振して――――

「はぁぁ…ぁぁ…ぁ………。」

………俺たちは………果てた………。

 

(6)へつづく