しようね☆・U〜好きにして☆〜(2)

 

かちゃ。

足を忍ばせ、俺はそっと寝室の扉を開けた。

「…………あ。」

ちょうど、脱いだパジャマをベッドに置いたところのらいか。

きょとんっとした表情で立ちすくみ、俺を見る。

言わずもがな、上下の…昨日とは違う真っ白な下着以外、らいかは他に何もまとっていない。

――へへ☆昨日のもよかったけど、これも中々……って、よそう、そのこと思い出すとまた腹立ってくる。

ともあれ、カーテンを閉めた薄暗い室内。

間接照明の淡いオレンジ色の光に、スラリとしたらいかの綺麗な身体のラインが映える。

一瞬の間を置いて、

「…な…なに…?」

戸惑った苦笑を浮かべ、聞いてくるらいか。

その指先が、たった今ベッドに置いたパジャマで身体を隠そうかどうしようか迷っている……。

…ははぁ、なるほど☆

恥ずかしいのは山々だが、慌てる姿を見せて、俺に弱みを握られたくない……そんなとこだろーか。

――けど、くくく…これは面白い☆ らいかのこんな表情はなかなか見れないからな☆

「………」

ともあれ、そんな内心の笑みはひた隠し、俺は平然とらいかを見据えたまま、ゆっくりと足を踏み出してゆく。

「え…?ちょ…?」

不安げな表情で、やや後ずさりするらいか。

だがむろん、その間にも俺とらいかとの距離は縮まっていく。

俺は、息がかかるくらいまで近づいて、おもむろにらいかに向かって手を伸ばし、

「…え?…ちょ…っと…たけ…あき……い…いや………」

「あ…なーんだ。こんなとこにあったのか……」

半裸の身体をくねらせて、俺の手から逃れようとするらいかを尻目に、俺はすっとぼけた口調でそう言い、そのまま、身をかがませて、ベッド脇、らいかの足元に落ちていたマンガ本を手に取った。

「……………」

一体、何をカン違いしたのか知らないが(笑)、身を屈ませる俺の頭上で、安堵とも拍子抜けとも取れるらいかの小さな息遣いが聞こえた。

その瞬間!

「え……? あ……きゃぁ!」

俺はすばやく身を伸ばし上げ、その勢いのまま、らいかをベッドへ押し倒した。

「え…あ…ちょ…た…たけ…あ……ちょっと…待っ……あむっ…んんっ!?」

さらに、驚き慌てるらいかの細い両手首をつかんで、強引に唇をあわせていく。

「ん…っ……んん……んっ……」

しばし、甘い沈黙が室内を支配する。

やがて、らいかの抵抗する力が抜けたのを見計らって、俺は唇を離した。

もちろん、手首を離した手のひらは、そのまま、柔らかなふくらみに向かっている。

「…ん………あ…ふ………」

甘い息を漏らし、らいかはとろんとした目つきになりかける…が、

「ああっ!ちょ…ちょっとぉっ、お…お出かけするんでしょっ!」

すぐに、我に返って、とがめるような視線を俺に向けた。

――ち。もう正気に戻っちゃったか。……けど、まあ、これも計算済み☆

「おでかけ? ああ、あれ今日は中止☆」

「ええええ〜〜〜?」

とぼけた口調であっさりと言う俺に、当然のことだが、らいかの不満の声が上がる。

そして、俺はにんまりと笑みを浮かべて、用意していた言葉を言い放った。

「だってさ…らいか、さっきいったじゃん?今日は俺の「好きにして」いーって……☆」

「え…?や…やだ…あんっ!…あ…あんなの…じょ…じょーだ…ああ…んっ…ち…ちょ…たけあきぃ〜……」

なにやら、たわごとをほざきつつ、抵抗するらいかだが、乳房をまさぐる俺の手の動きによって、身体にも言葉にも力が入らない。

――くす。

俺は、そんならいかに軽く微笑むと、もう一度キス。

といっても、今度はとびきり濃厚なやつを……

「ん…んん…ふ…ぅ…ん…」

らいかの口内で二つの舌が絡まりあい、鼻先から甘い息が漏れ始める。

「……んぁ…はぁ…ふ……」

再び、顔を離したとき、

「…はぁ…も…もぉ…わ…わかったよぉ…でも……ちょっと…だけ…だからね……」

頬を赤らめ、すっかり高揚した表情でらいかは言った。

「ああ」

むろん、『ちょっとだけ』ですますつもりは毛頭ないのだが、とりあえず俺は大きくうなずいて見せた。

そして、俺は改めて、らいかの身体を丹念にまさぐっていく……

…慣れた手つきでブラを外し、ショーツを足から抜いて……

「や…やだ……たけあき……顔…マジ……」

するりと足首からショーツを抜いた瞬間、おびえたような口調で言ってくるらいか。

――あたりまえだ。俺は大マジである。

などという、内心の言葉はむろん口にすることなく、俺は無言でらいかに身体を重ねていき…

「あ…ん☆」

もう一度軽いキス……そして唇を首筋へ……

「んあっ…はぁ……ん…」

キスマークがつかない程度に軽く吸いつつ、俺は這わせた舌をそのままに、うなじから耳へと唇を移動させていく。

むろん、この間も俺の手のひらは、らいかの乳房の上に置かれており、その柔らかな弾力を楽しんでいる。

「ン…ふぅぅ…ぁあ…あぁ…ん」

せつなそうに、身をくねらせるらいか。

俺は空いているほうの手で、しなやかならいかの髪をかきあげ……

…ふぅぅぅぅ…

「あ!……はぁぁぁぁぁん……」

吹きかけられた俺の息に敏感に反応し、ぴくんっ、と小さく身体を震わせるらいか。

同時に、俺はここぞとばかりに、乳房をまさぐるその指で、中心にある突起を挟み込む。

…びく…びくんっ!

「ひっ?…んああっ!はぁぅっ!……んんっ!」

さらに激しく身体を震わせ、上ずった嗚咽を漏らすらいか。

――くぅぅっ!かわいいっ☆

などと思いつつ、俺は息の荒くなったらいかの背に手を差し込み、身体を横向きに起こす。

「……え?」

ちょうど横向きに向かい合った格好に、やや疑念の表情を浮かべるらいかだが、あえて俺はそれを無視。

そして、らいかの背に回した手をうなじに添え、そこから背筋に沿ってゆっくりと指を下へと疾らせていく……

「んぁぁぁ……」

なめらかならいかの肌の感触を指先で存分に味わいながら、やがて俺の指は柔らかく盛り上がる起伏に辿り着いた。

「やぁん……」

恥ずかしそうに腰を引こうとするらいかの身体を、もう片方の手で制し、俺は柔らかな起伏をわしづかみにしたいのをこらえて、その頂点辺りで、「の」の字を描くように指先で円を広げていく。

「…や…あ…はぁぁん……たけあきぃ……」

訴えかけるような目を向け、さらに恥ずかしそうに腰をくねらせるらいか。

もっとも、困ったような表情をしているが、さして嫌がっているようでもない様子。

――へへへ☆

そんならいかの様子を確認し、俺は、頃合を見て、手の動きを止め、その割れ目に沿って指を滑り込ませていく。

「え……?あ……!」

さすがにこの動きは予想外だったのか、らいかは途端に表情を変え、

「や…やぁんっ!」

きゅっ、と足をきつく閉じて、俺の手を挟み込んだ。

――あ。カン違いしたな。ち…違うって…いくら俺だってそんなことしないよ……

それに、もう遅い。柔らかならいかの太ももに挟まれた俺の手の指先は、すでに前の方まで潜り込んでいたのだから……。

ぬるっ…とした感触を中指の先で捉え、俺はすぐさまそれを動かし始める。

「あ……や……はぁぁぁん…っ…」

ぶるぶるっと身体を震わせ、さらに声を上ずらせるらいか。

と、言っても、手の大部分はいまだらいかの太ももに締め付けられているため、これ以上派手な動きはできない。

――もうちょっと、力抜いてくれないかな……

じれったくなった俺は、らいかの顔をうかがう……が、

「………」

らいかは、赤らめた頬を膨らませて俺を睨んでいた。

「………」

と、いつもの俺ならここで引き下がってしまうところだが、なぜか今日の俺は、自分でも不思議に思うくらい大胆になっており、

「あ……?…や……!」

怒ったようならいかの顔が、すぐさま驚きに変わる。

ぐいっ。

そう、俺は、空いた方の手でらいかの身体を引き寄せ、うつ伏せにしてしまったのだ。

「え…ちょ…っと…な…なに……?」

いつもとは違う俺の反応に、首をひねってこちらを向き、戸惑いの表情を見せるらいかだが、それもつかの間。

俺はらいかを引き寄せた手を、すばやくふくらはぎあたりに走らせ、そこから一気に、股間に挟まれている手のあたりまで、駆け上がらせた。

「や…あっ!…はぁっ…!!………はぁぁぁぁ〜ん……」

もちろん、その途中――ヒザの裏側あたりで、らいかの反応が顕著に変化したことも見逃さない。

――ビンゴ!(笑)

あたりをつけた俺はその辺りを重点的に攻めることにする。

さわさわっ……さわさわっ……

ヒザの裏側から太ももへ……俺の指先が執拗に、何度も何度も往復する

「んっ……んんぁっ!…くふぅ…んっ…や…やだ…そこ……あ…ああ〜ん…」

かすれた声で抵抗の言葉を口にするらいかだが、その一方身体の力はどんどん抜けていき、

やがて……

「あ……はぁぁぁぁ……」

ためいきを着くように大きく息を吐き出し、らいかは全身の力を抜いた。

そして俺は、もはや転がっているだけとなったらいかの足を、少しずらすように開かせると、

「あ…」

再び、股間に差し込んでいた手の動きを再開させた。

「や…やぁぁ……あ…は…ぁぁぁ……」

何かに怯えるような、弱々しいらいかの声を耳に、俺は、指先でひっかくようにその『淵』を、丹念に何度も撫で回す。

「やっ…ああっ…んっ…はぁっ……はぁぁ…ん……」

やがて、何度目かその行為を繰り返すうち、

ぬぷっ……

俺の指は、何の抵抗もなくらいかの中へ沈み込んでいった………

「あ……んぁっ!……はぁっ!…はぁぁぁぁぁ〜っ!!」

上体を弓なりに反らし、頭を左右に振って喘ぐらいか。

昨日は聞けなかった、悦びの声を部屋中に響かせて……

さらに俺は手のひらを大きく広げるような動作で、いっそう奥深くへ指を沈みこませていく。

「んっ!…くぁっ!…あっ…あっ…あっ…んぁあっ!あぁぁぁ〜っ!」

突き入れられる俺の指の動きに合わせて、びくんっびくんっ、と身体を震わせるらいか。

そして、俺は根元まで指を沈み込ませたところで、手首を返し、ぐるんと中で指を回転させた。

「ひ…?ひぁぁっ!やぁぁぁぁ〜〜っ!!」

たまらずらいかは身体を丸めて、俺の動きを止めようと手を伸ばす……が、むろん力の入らないか細い腕では、

何も出来ず、逆にその手を俺に取られ、

「ちゅ☆」

――お姫様、まだまだこれからですぞ☆(笑)

そんな意味を込めたキスをらいかの手の甲に送り、俺は、らいかに包まれている指先によりいっそう気合いを入れていく。

「は…ああっ!……ああ〜っ!」

やがて……

――えーと……?

俺は、らいかの中をかき回しつつ、ある部分を探し始めていた。

――奥深く……上のほうで……確かこの辺のハズ……なんだけど……

「ひっ……!」

刹那、らいかの反応が変わった。

――ココ…だ!

ピンポイント…その部分で指の先端を固定し、俺はヒジから伝わる激しい震えを一点に集中させる。

「ひぁぁ〜っ!あ…っ!あああああ!は…あああ…!あああ…っ!」

そんな俺の指先のバイブレーションにシンクロしたように、らいかの全身が激しく震える。

また、ややもしないうちに……

「あ…あああ…や…や…だ……た…たけ…あ…っ…き……らいか……いっ……イッ…ちゃう……」

きゅぅ〜と身を縮こまらせて、つかんだ枕をかきむしるらいか。

中に包まれている俺の指もぎゅっとしめつけられるのがわかる。

そして俺は、それに応えるよう、今まで以上に指先に力を込めて最後の震えをらいかの中へ送った。

「…んぁっ!?………あああああ…っ!!」

ぶるぶるっ、と大きな震えのあと、

「はぁぁぁぁぁっ〜〜〜〜

強く枕に顔を押し付け、うつ伏せのまま、らいかは達した………。

 

そして、

「気持ちよかった?」

いまだ荒い息をついているらいかに聞いてみる俺。

「はぁはぁはぁはぁ……ば…ばかぁ……え…?」

泣きそうな声で、ちらりと枕から目だけをのぞかせ睨みつけてくるらいか。

だが、その間にすでに着ていた服をすべて脱ぎきっていた俺に驚く。

「ちょ…な…なに脱いでんのよぉ……」

「ええ? だって俺……まだだもん」

わざとらしく驚いたふりで、言ってやる。

――ってゆーか、愚問だろそれは(笑)

「そ…そんなぁ………アッ?」

怯えたような仕草を見せ始めたらいかの背中に、ともかく俺はのしかかっていった。

そして、

「あ…え……ええっ?」

俺はうつぶせのらいかをはがいじめにして、ごろりと転がり、

「ちょ…あ…っ!…きゃっ!」

ちょうど、仰向けの状態でらいかを俺の身体の上に乗せた。

「え…え…え…? や…やだ…なに? ちょ…たけあ……あむっ…んっんん〜〜!」

懐疑の表情を浮かべ、下になった俺に顔を向けるらいかだが、当然のごとくそこで待っていた俺の唇に言葉を奪われてしまう。

また、その間に俺は「狙い」を定めるため、股間に手を差し入れ、自らのものをつかむ。

…もっとも、上向きに反り返っていた「それ」は、すでに先端でらいかの泉の滴りを感じていたのだが……。

ともあれ、

「んんんっ!ぷはぁッ!ちょ…ちょっと…や…やだぁっ! らいかまだイッたばっかりで……それに…こ…こんなカッコ…ぅ……?」

ず……

「…んっ!……んあああっ!!」

たまらず俺の唇を振り払い、文句を言い出すらいかだが、もう遅い。その間に、俺はいまだ濡れそぼっているらいかの中に、沈み込んでいった。

ずずっ!

「ひぁぁぁ〜っ!やっ…あああ〜〜っ!」

仰向けの状態で、満足に身体を動かすこともできず、ただ咽び鳴く声を部屋中に響かせるらいか。

一方、俺はらいかの背後からにょきにょきと伸ばした両手を、乳房と股間にもっていき両方の突起を弄り始める。

「ああっ!はぁぁっ!や…やだっ……は…はぁぁぁ〜んっ!」

また同時に、股間をまさぐる手のひらで、らいかの下腹を押さえつけ、ずんずんと腰を突き上げていく。

仰向けにぴったりと密着した俺たちの身体が、ベッドの上で幾度となく浮き沈みし、

ぎしっ…ぎしっ…

「あ…っ!あ…っ!あはぁっ!」

ベッドのスプリングが軋む悲鳴にあわせるように、らいかの喘ぎ声は徐々に激しく上ずっていく。

やがて、怒張する俺のものが、いっそう溢れ出したらいかの熱い滴りに包まれたころ……、

「あっ…んあぁっ……は…ァァァ…ン… す…スゴイ……ぃ…い…イイ…っ☆」

揺れるらいかの唇から、隠しきれない悦びの声が漏れ始めた。

「はぁっ……はぁ……あはぁ…っ……ね…ねぇ……」

息も絶え絶えに顔を傾け、とろんとした目を俺に向けてキスを求めてくるらいか。

びっしりと汗のしずくを顔中に浮かび上がらせ、上気したらいかの恍惚の表情……。

――くぅぅっ!

たまらなくなった俺は、まさぐっていた両手の動きを止め、ぎゅっとらいかを抱きしめると、濡れてピンク色に輝くその唇を奪い、

――よし、このまま一気に!

そう思って、一際深くベッドに腰を沈めようとした……が、

「んむ…ぁ……あ…ちょ…たけあき…待って…」

すっと、唇を離し、らいかは俺の動きに待ったをかけた。

「え……?」

――え…?なんだよ。まさかここまできて……? じょーだんじゃねーぞ。

だが、慌てて抱きしめる力を強くした俺の気持ちを察したように、らいかは、

「あ…?ちょっと…ち…違うよ。らいかもう逃げないよぉ……」

そう言って、逸る俺を制し、上体を起こした。

「よいしょ……」

後ろ向きのまま、俺に跨った格好で、らいかは俺のヒザ辺りに手を着き……

―――え?

「んふふ☆ たけあき…疲れちゃったでしょ? 今度はらいかがしてあげるね☆」

そう言って、らいかは自ら腰を前後に揺すり始めた。

柔らかならいかのお尻の肉感が俺の股間の上をすべるようにスライドする。

「う…ああ…」

たまらず、呻くような声を上げてしまう俺。

「んふ……あっ…はぁっ……ね…き…気持ちイイ……?」

そんな俺を振り返り、快感に眉をしかめつつも、妖艶な笑みを浮かべて見下ろすらいか。

――うあ☆ こ…コイツ、こんなに色っぽかったっけ?

このとき、俺はどんな顔をしていたのだろうか………。

「んふふふふふ…… あっ…はぁぁぁ〜んっ…ああ…ぅ…ん……」

らいかはそんな俺の表情を見て、満足そうに微笑むと再び前に向き直って、腰をスライドさせ始めた。

(3)へつづく