甘い欧州旅行
第三章「魔女が魔法を使う刻」(3)
「………ウッ!」
低い唸りのような声を上げる俺。再びベッドに戻った峰岸さんが俺の股間に顔を埋
めたからだ。
すでに天を仰ぎ猛り狂っていた『それ』が、峰岸さんの口で優しく包み込まれる。
俺の頭の中は快感で真っ白になった。
もちろん、俺はこんなことをされるのが初めてな訳ではない。だが、峰岸さんのね
っとりと絡み付く舌とそれにともなって動く巧みな指使いは、今までに俺が経験してき
たそれ とは全く異質のものであり、その快感といったら…大袈裟かもしれないが、こ
の世のものとは思えなかった。
「ん…ふふ…すごいわね。凌クンのコレ……」
一方、峰岸さんは、著しく変化を遂げていく俺のそれを嬉しそうに眺めると、優しく
息を吹き掛け、ゆっくりと根元までくわえ込んだ。そして、俺の腰が浮いてしまうほど
強く吸い込んだかと思うと、ずりずりとねぶるように口の中から追い出す。
峰岸さんの唾液にまみれ、てらてらと光る俺のモノ。
だが、それが外気に触れるのも束の間、峰岸さんはすかさず、それに手を添え、
長く伸ばした舌をその全身に絡ませ、強く締めつける。
その様は、まるで樹木に絡み付く大蛇のようでもあった。
「んふふ・・・気持ちいいのね☆ じゃ・・・これはどう・・・?」
そして、ひとしきり締め付けた後、峰岸さんは、舌をぬらぬらと先端の方まで這わ
せていき、傘のように広がる部分だけを口にくわえ、その先端を舌先でちろちろと
嘗め回す。
ぴちゃぴちゃと淫らな水音が妖しく部屋に響く……
「あ…、み…みねぎしさん…、オ…オレ…」
目を堅く閉じ、両手を握り締めて耐える俺。
優しく、緩やかなペースで繰り返される峰岸さんの舌の技に、俺は早くも絶頂を迎
えつつあった。
「あふ……いいのよ……このままイッて…も…」
口を放して優しく微笑む峰岸さん。再度俺のモノを口に含むと、今度は単純な上下
のみの動きに変え、それを激しく出し入れした。
じゅぼっ じゅぼっ
…淫らな水音がいっそう激しくなり………
間もなく、
「あ…うっ!」
頭の中で何かが弾けたのを感じ、俺は拳を強く握った……
・・・・・・・・峰岸さんの口の中で迸りを放った後。
「……すいません…」
俺はなんだかとても悪い事をしてしまったかように、仰向けになったまま謝った。
そして、こんなにも感じさせられたことが得も知れず悔しかった。
すると、
「んふ…ふ…」
くぐもった峰岸さんの笑い声。
…え?
その時、俺は再び股間にぬめりとした物が触れているのに気付いた。
「え…あ…峰岸さん…?」
とまどう俺を尻目に、峰岸さんの絶妙な舌の技は、ぐったりと横たえていた俺のそ
れに再び生気を吹き込んでいく。
「ん…あふ……。やっぱり若いのね。もう…こ・ん・な☆」
即座に反応してきた俺のモノを、手で弄びながら言う峰岸さん。
…いや、その…、峰岸さんのその技なら、たとえ死に際のじーさんでも勃っちまうと思
うんですけど……
……………
やがて間もなく、俺の分身は雄々しくも再び天を仰いだ。
「さて……今度は…私の番…よ。ね…凌クン……?」
身をずらした峰岸さんは、俺の頭を抱えるように額を合わせ、唇を重ねてきた。
俺の首から上の部分が、峰岸さんのしなやかな髪にすっぽりと包まれ、俺はたちこ
める甘い香りで窒息しそうだった。
……けど、今度は、こっちの番だ。
堅い決意(?)を胸に、俺はするすると手を伸ばし峰岸さんの身体をまさぐっていっ
た。
「はァ…んっ…」
すでにじんわりと濡れているそこをやさしく撫でまわすと、峰岸さんは甘い吐息を漏
らす。
…まだまだ。ここで気を抜けば、またさっきの二の舞になる。
自分自身に言い聞かせ、俺はすぐさま豆のように固くなっている部分を探し当て、
それを軽く指先で弾いてみた。
「ん…っ! く…ぅ…ぁはッ…!」
思わず身をのけぞらす峰岸さん。
…よし、こうなりゃ。
俺はすかさず、突き出た乳房にしゃぶりつく。また、秘所に触れている指を第二間
接く らいまで沈み込ませた。
「あ…っ!? そ…そんな…! く…くふぅ……っ!」
二箇所同時に、痺れる感覚が走ったのだろう。目を見開き、身をくねらせる峰岸さ
ん。
だが、さすが…と言うべきか、喘ぎながらも峰岸さんは咄嗟に俺の分身に手を伸ば
し、 それを握り締めてきた。
…でも、今度はそうはいかない!
すでにいつもの冷静さを取り戻していた俺は、峰岸さんの手が股間に伸びてきたこ
とに 気付くと、峰岸さんの中に入っていた指を一気に奥まで差し込み、
…ず…すぶずぶ……
さらに中でぐるぐると 掻き回した。
「はあァァッ!! な…なにっ!? んん…っ! んんーっ!」
俺のモノを握りかけた手の力が緩み、さすがの峰岸さんも激しく身体をよじらせ、
悲鳴を上げる。
が、俺はその鳴き声さえも許さぬように、唇を重ねていった。
差し込んだ舌を、峰岸さんのうわ顎の部分にあてがい、小刻みに蠢かせる。
「んむっ!…んんっ! んんーっ!」
口を塞がれたまま、頭を左右に振って喘ぐ峰岸さん。
それもそのはず、俺は、峰岸さんの口の中、乳首、そして………と三ヶ所同時に攻
めているのだ。これで感じてくれなきゃ、ほんとに困る。
…でも、さっきはそんな見てる余裕なかったけど、峰岸さんって結構感度イイぞ☆
これなら……
間を見計らって、俺はとりあえず唇の戒めを解いた。
「んんっ…はぁ…あふっ、り…凌クン、ホ…ホントに上手…なの…ね…、ア…ウッ
…!」
俺の耳元で囁く峰岸さん。もちろん残り二ヶ所はそのまま俺に攻められ続けている
ので、とぎれとぎれだが。
「まだまだ…ですよ。峰岸さん……って、え…?」
にんまりと笑う俺が言い終わらぬうちに、峰岸さんは俺の耳の中に舌をねじこんで
きた。
…んくっ! ほ…ほんと油断できねえな…このひとは。
さらに、峰岸さんは俺が怯んだスキを付いて、俺の首筋、胸板へ舌を走らせる。
…く…や…やば。……けど…今度は好きにはさせませんよ…っと。
俺は峰岸さんの愛撫から逃げるように、両手を付いて身を起こし、そのまま下の方
へ身体をずらす。そして、峰岸さんの両足を開くと、前屈みに座り込むような格好に
なり、も う一度その秘所へと指先を伸ばしていった。
くちゅ。
淫らな音を立て、いとも簡単に飲み込まれる俺の指。
そして……
「峰岸さん、こんなのはどうです?」
言いつつ、俺は腕全体を震わせ、指先を通して峰岸さんの中へ不規則な振動を与
えた。
「ヒッ…!? ああぁぁ…んん…っ、くぁぁぁ…っ!…んはぁぁぁ……!!」
俺が与える振動のままに全身を激しく震わせる峰岸さん。
俺の中指をつたい、峰岸さんの愛液がとうとうと溢れ出る。
やがて・・・・・・・
「り…凌ク…ン…す…すご…い…ッ! はぁぁ…ん…ダ…ダメ…わ…私…も…もう
…」
全身のわななきをこらえつつ峰岸さんは自分から大きく足を開いた。
差し込まれている俺の指から、ねっとりと熱い峰岸さんの愛液が滴っている・・・・・
先程までは余裕の笑みで、俺を攻め立てていた峰岸さん。それが一転して今は激
しくも 淫らに喘いで、俺を求めている……
なんともいえない煽情的な光景に、たぎる俺の熱いものが一気に沸騰した。
「み…峰岸さんっ!」
俺は差し込んだ指を抜き去り、彼女の愛液にまみれたその手で自らのモノを掴む
と、大きく腰 を引いて、熱く煮えたぎった峰岸さんの泉に勢いよく突き立てた。
「はぁぁぁうッ!! くっ…ああああぁッ! す…すご…いっ!…お…大き…っ!!」
逆手にシーツを握り締め、大きく身をのけ反らせて、歓喜の悲鳴を上げる峰岸さ
ん。
……ん?…え? こ…これは……?
一方、俺は峰岸さんの中に入って驚いていた。強く締め付けられるのは当然の事
としても、まだ動いてもいないのに、周りからまとわりつくような感覚があったからで
ある。
…こ、これは……俗に言う………なんとか千匹ってやつか?
分身全体が、蠢く無数のものに刺されているような感覚を覚え、俺はその奇妙な快
感に酔いしれた。
「んん…っ、ど…どう…? 凌クン……」
玉のような汗がつたうほてった顔で、例の妖艶な笑みを浮かべる峰岸さん。
「…くぅ……どう…もこうも、こんなの…俺、は…初めて…で……くぅっ」
「んふ…、あ…は………じゃ、も…もっと、あ…んっ…い…いらっしゃい…★」
峰岸さんは両脚を俺の腰に絡みつかせて、より深く俺を迎え入れようとする。
無論、俺もそれに応えるべく、腰を前後左右に激しく揺さぶった。
「アッ!、アッ!、アッ! ん…ふぅっ! も…もっと…ふ…深く……強く…っ!」
自らも腰をくねらせて、なおも求める峰岸さん。
俺は達しそうになるのを必死で堪え、さらに腰のスピードを上げた。
「あ…あぐ…っ! い…いいわ…ぃぃ…っく! す…スゴい…! あふっ…ああっ!」
峰岸さんは両腕さえも俺の首、背中に回して、まさに全身で蛇のように俺の身体に
絡み付く。
…あ。これなら、あれ…ができる☆
体勢によって顔に押し付けられた峰岸さんの乳房。俺は申し合わせたようにそれ
にむしゃぶりつき、その先端に歯を立てた。
「ヒッ!? アアアァーッ!! そ…それ…イイッ…アッ…?…そ…そんな…? な…な
に? こ…れ? い…イイ……あ…ああっ! す……凄いっ! も…もう…アァーッ
…!」
せつない嗚咽を上げ、さらに燃え上がる峰岸さん。波打つ肉体は狂おしく震える。
ところで、この噛むってのは、俺の奥の手。なんか俺のこの力の入れ具合がいい…らしい。
…と、それどころじゃない、く…くぅぅっ! い…今ので峰岸さんの締め付けがいっ
そう強くなってきた!
「うっ! あ…峰岸さん… オ…オレ…」
そう、俺は一気に限界を迎えつつあった。ペースを握っているつもりであったが、
やはり普通の女性とは違うようだ。このひとは。
「あっ…んっ! え…? あっ…あは……、い…いいわ…、よ…、んっ…くぅぅぅ…
ッ! はあッ…! き…来て…ッ…り…凌クン…ッ! ああんっ……あああッ!」
…ほっ。良かった。
が、安心するのも束の間、峰岸さんは最後の攻撃とばかりに、俺の首筋や耳に狂
ったように舌を這わせてきた。
「んっ…★んんっ…★んはっ…★ キミ…ホント…すごい…わ…あ…ああ……ね…
き…… 気持ち良く…い…イカせて……★ ああ…んっ…は…だ…大丈夫だから…
そ…そのまま…☆」
ぴちゃぴちゃと音を立て、俺の首筋を舐め回し、吐息混じりに囁く峰岸さん。
「…くっ! は…は…いっ!!」
俺はもうもたせることは考えず、最後の力を振り絞って腰をグラインドさせた。
「…ッ! ンアァッ! アウッ! んはぁっ! イイッ!! す…すごい…わ…。ま…まだ
来るの…? はっ! あふぅっ! い…イイ…り…凌ク…ンッ! あ…はぁっ!」
…痛ゥ!
俺の背中で峰岸さんが爪を立てた。しかし今は、その痛みさえも欲望をかきたてる
奇妙な刺激となり、俺は最大限の力を込め、腰を深く捩じ込んだ。
「うぐっ!? かはァッ! ヒッ! イ…イクゥッ!! はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
狂おしく全身を震わせ、また、内外ともに強烈に俺を締め付け、峰岸さんは達し
た。
そして、それを見極めた後、俺は熱い迸りを彼女の中へ何度も放った。
…そう、まさに吸い込まれるように……
・・・・・・・・・やがて・・・・
互いに身体を絡めたまま、緩やかなまどろみの中・・・・・
「…ね…凌クン…キミって本当は何歳つなの…? 想像以上だったわ、あんなの
…☆」
飲みかけのウイスキーのグラスを俺に渡し、今だ吐息混じりに言う峰岸さん。
「え? やだな、ホントに十九ですよ……って、そんなにおじさんくさいテクでした?」
グラスを傾けながら、苦笑いで言う俺。
オンザロックのウイスキーは今の情事の間に、すっかり薄い水割りとなってしまっ
ていたが、俺の乾いた喉にはむしろ心地好かった。
「あら、そういう意味じゃないわよ……うふふ。
私をこんなにさせるなんて……本当にとんでもないコってこと……」
「え…あはは、そうですかぁ・・・☆」
ま、ちょっと出鼻くじかれたけど、この峰岸さんにここまで言わせりゃ十分だろう。
誇らしげな気分に浸りながら、答えた俺に、だが、峰岸さんは・・・・・・・・
ま…とにかくこれで旅の楽しみがまた一つ増えた…というわけね☆」
「……え?」
「ふふ…この旅行中はたっぷり凌クンに楽しませてもらえる…ということよ。
……ね★」
峰岸さんの妖しげな瞳が一際光る。
ぞく。
俺の背筋に何か冷たい物が走ったのは……おそらく気のせいではないだろう……
第4章「甘美な光に包まれた女神(ヴィーナス)」へつづく・・・・