メイプルウッド・ロード
                     イ ヴ
〜#1.小雪舞うカムループスの聖夜〜

 

(6)

「…はぁっ…はぁっ……すごい…あ…あ…たし…こ…んなの……」

 ややあって、荒い息混じりに、どうにか声を上げる由美。

 だが、

「へへ…『こんなの…』初めて…? …でも、まだ終りじゃないぞ…」

 そんな、どこか遠いところで言っているような瞬の声が耳に届くや否や、

「はぁはぁはぁ………え?」

 いまだ由美の「中」で蠢く瞬の指の感触が…………。

 そう、

 達した余韻で感覚が麻痺していたせいか、気が付かなかったが、瞬の指はまだ由美

の中に吸い込まれたままだったのである。

「え…? あ…ん…い…いや…な…なに……?…ぁ…い…いやぁ…アア…ッ!」

 熱いぬめりの中、再度蠢き始めた感覚に懐疑の声を上げる由美。

「ひああ…あはぁ…や…し…瞬……え?…う…ウソ…?…あ…あた…し…また……?

……ああん…イイ………? や!…ちが……イヤッ!」

 自らの中で一致しない感情に戸惑いながら、それでも由美はなんとか瞬の指から逃れ

ようと、身体をひねる。

 が、瞬は、その動きさえも利用し、身体をひねった由美の腹を抱きかかえるようにし

て、

「え…?あ…?ちょ…しゅ…瞬…っ!?」

 なんと、今度は、由美を四つん這いにさせてしまった。

 そして、

「え…? や…やだ…ああ…ん…こんな…格好…は…恥ずかしい…よぅ…アッ…?」

 また別の意味での恥ずかしさに、顔を上気させた由美が振り返ったとき、瞬は、

いったい、いつのまに…?と思えるほどの手早さで、ジーンズもトランクスも脱ぎ捨て

ていた。

「…………!」

 瞬間、反り返る瞬の分身を目の当たりにしてしまい、思わず絶句してしまう由美。

 そのスキに瞬は、立てひざをさらに一歩踏み込み、その分身を由美の秘所に押し当

てた。

「アッ!」

 ぬるっ、とした感触に驚いて、由美は瞬の顔を仰ぎ見る。

 そこには、

「由美……」

 まっすぐに向けられた瞬の目……

 何も言わずとも、どこまでも自分を求めているのがわかる……

「ん……」

 由美は軽くうなずくような仕草をして、顔を元に戻した。

 そして、 

 瞬はあてがったその分身を『水面』で二、三度、縦に擦るとゆっくり、そして深く由美の

中に沈めていった。

 …ずぶり……

「あ…っ…は…ゥ…ッ! 」

 堅く熱いものが深く差し込まれた瞬間、由美は自分の身体が悦びに震えるのが、はっ

きりとわかった。

 ぐっ!

「きゃ…は…んぐっ! んぁぁーーーーーーーーッ…!!」

 また、そこからさらに、突き入れてくる瞬の勢いに、由美は上半身を支えていられなく

なり、前のめりにベッドに突っ伏してしまう。

「あ…だ…だいじょぶか……?」

「はぁ…はぁっ…、ば…ばか…ここまできて…ん……だ…いじょぶもなにも…あ…ないで

しょ…」

 さすがに心配して動きを止めた瞬を、苦笑まじりに睨む由美。

「ご…ごめん……」

「ん…もう……ばか…あやまるくらいなら……」

 ばつ悪そうに謝る瞬に、だが由美はそう言いかけて、言葉を飲み込んだ。

 …変なの…あんなにえっちなことしといて……どっちがホントの瞬なんだろ……?

 ふと、そんな思いに駆られて。

 見れば、瞬はどうすることも出来ずに、そのままの体勢で、ただ困っていた。

 そんな瞬を見て、由美は何かおかしくなってしまい、

「…ふふっ、んっ……ほら…いい…よ…つ…続けて…………」

 軽い笑みをこぼしながら、再び両手をついて、身体を起こしてあげた。

「あ…ああ…」

 促され、間もなく、瞬はゆっくりと腰を前後に動かし始める。

「…ふ…あ…くぁ…アアーッ!し…瞬っ…アア…ッ…ん…はぁ…お…大きい…アァーッ

…す…スゴイ…ああああーっ!」

 深く突き入れられるたび、まるで喉元まで瞬のものが来ているような錯覚さえ覚え、

由美は今にも崩れ落ちそうな身体を懸命に支えつつ、鳴いた。

 また、自分でも気付かぬうちに、由美はいつのまにかひざでバランスを取りながら、

腰を左右に揺らし始めていた……

「あ…や…やだ…?勝手に…動いちゃ……あぁっ…?」

 だが、そんな驚きも、即座にかき消される。

「あ…はあふ…ぅ……あ…はぁぁっ……」

 後ろから、包み込むように潜り込んできた瞬の手のひらに、揺れる乳房をわしづかみ

にされて。

 たわわに揺れる由美の乳房が瞬の手の動きで、柔らかくその形を崩される……

「い…ぁ…いい…イイッ…し…瞬…す…凄い…スゴ…イの…あた…し…はぁ ぁあ…」

「由美……俺も…凄い…」

 呻く瞬が、自らの快感を堪えるように、堅く尖った乳房の突起をつまみ、刺すような

刺激が由美をさらに熱くしていく。

 やがて、

「ああッ!!…や…だ……ね…瞬…アアッ…! も…もう…あたし……ま…またおかしくな

りそう……あはァ…ッ!……ね…ねェ…も…もう…い…イッても…ああ…いい…? 」

 絶え間ない瞬の攻めに喘ぎつつ、由美はついた両手の間に首をすくめて、とぎれと

ぎれに言った。

 だが、

「…………」

 自らのものに貫かれ、小刻みに身体を震わす由美……。

 乱れた髪がしっとりとまとわりつき、玉の汗が光る由美の背中を見下ろし、瞬は、こう

思ってしまう。

 …もっと…あともう少し…由美の可愛い姿を見てみたい……

 と。

「だーめ まだイッちゃ駄目だぞ…」

 自らも快感に引き込まれそうになるのを、必死に堪え、汗の光る顔で輝くような笑みを

浮かべる瞬。いったん腰の動きを止めた。

「……え?」

 達する寸前で止められ、由美はやや不満気味の表情で振り返る。

 と、そのとき、

 ぐいっ!

 乳房をわしづかみにしていた瞬の手に力が入り、由美の身体が一気に抱き起こされ

た。

「え…?あん…こ…こんなの…い…いや…あ…あむぅ…んん……」

 後ろ向きに『抱っこ』された格好になり、驚いて振り返る由美だが、すかさず、そこには

瞬の唇が待っていた。

「ん…んんん…ぁ…ふ…」

 また、同時に両の乳房もやわやわとまさぐられ、しばしの甘い感覚に由美は酔いしれ

る………が、

 …ずん…っ。

「んあっ…!? は…しゅ…瞬っ!だ…ダメぇ……あ…あああぁーっ!」

 唐突に、瞬の腰が動き始め、由美は慌てて唇を離した。

 だがむろん、瞬の動きは止まらない。むしろ、跳ね上げるような動きに拍車をかける。

 ずん…ずんっ!

 前後から上下へと変化した感覚、また甘いキスで意識が混濁しかけたところに、これ

ではたまらない。

「ああっ!あっ!や…しゅ…瞬…アッ!はっ…ひぁっ!……はぁぁぁ〜〜〜っ!」

 再度、理性を奪われ、由美は見る見るうちに快感の海に飲み込まれていった。

 瞬の目の前で、由美の身体が何度も何度も跳ね上がり、その度に振り乱される

漆黒の髪から、甘い香りが舞い上がる……

 そして気付けば、

「はあ…ん、い…いい… こ…れ…スゴ…く、イイ…ッ!!」

 由美はさらに深い快感を得ようと、自らぐいぐいと腰を押し付けていた。

「ん…っく…ゆ…由美…ちょ…そんなに…動くな…や…やばい…」

 だが、これにはここまでペースを握りつづけていた瞬もたまらなかった。

 押し付けられ、柔らかな由美のお尻に挟まれた窮屈なこの感覚は予想以上の快感

となって瞬に押し寄せ、これまで我慢しつづけてきたものが一気に吹き出しそうになっ

てきたのだ。

 とはいえ、このひとことは失言というもの。

 さんざん、いいようにされてきた由美が黙っているわけはない。

「あ…っくぅぅぅん、へ…へえぇぇ?」

 思ったとおり、由美は、頬を染め、上気しきったその顔で蔑んだ視線を後ろに向け、

「んふ…さっきまで、あんなに、あたしのことイジめつづけたひとの言葉とは………

思えませんね〜♪……んんっ!」

 言いつつ、由美はたわわな乳房を上下に揺らし、瞬の腰の上でわざと大きく身体を跳

ね上げてみる。

 だがもちろんこれは……

「あ…あぁぁぁぁぁ〜っ! や…やだ…あ…あたし…はぁっ…はぁぁぁっ!!」

「う…うぁぁぁっ!ば…ばかっ…じ…自爆だろーが…そりゃ……そ…それに…ちょ…た…

タンマ…やば…い…俺……俺……」

 文句を言ってる間もなく、強烈に込み上げてきた絶頂感に、瞬は由美の腰を押さえつ

ける。

 すると由美は、

「ぁ…え…あはぁ…あ…い…いーよ…こ…このまま……しゅ…瞬のものにして……」

 こてんっと、後ろ向きに瞬の胸に身体を預け、見上げるように振り返り、瞬の顔を見

つめた。

「………!」

 どこか悪戯っぽいように笑う由美のその笑顔に、瞬の中で最後まで残っていた何かが

弾けたような気がした。

「そ…そのかわり……い…いっしょ…に……はぁぅっ!瞬…ッ…!?」

 恥ずかしそうに続けた由美の言葉は、結局最後まで言葉にならなかった。

 何もかもかなぐり捨てるように由美の身体を抱きしめた瞬が、これまでにない激しい

腰の躍動を始めたからである。

「ああああああああーっ!しゅ…瞬っ!あ…あたし…あたし…もう…だめぇぇぇっ!」

 それに、聞くまでもなく、そんなことはもとより承知!

「…っくぅぅっ!……由美…っ!」

 瞬は、由美の震えの質が変わるのを待って、両手を離し、後方…腰の後ろあたりに突

いた。

 一方、身体を解放された由美は、前のめりに両手を瞬の膝あたりについて込み上げ

てくるものに耐えている。

「あ…うぅ…ゆ…由美…い…いい…か……?」

「う…うん……アア…ッ…瞬…!」

 そして、瞬は背後に置いた両手を突っぱり、由美の身体もろとも腰を浮かせて激しく突

き上げた。

 ぐ…ぐんっ!!

 由美の身体がふわりと宙に舞い……

 ずんっ!

「はぐぅぅぅっ!し…瞬っ!あ…ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁーーーっ!!」

 突き抜けるような長い長い嬌声が、部屋中に響き渡った。

 同時に、

「っくぅぅぅっ!!……ゆ……みぃぃぃぃぃっ………………」

 瞬の熱い迸りが弾けて……散った………………

     

 数分後………。

「…瞬……ずるい………」

 瞬の腕の中、小さく身体を丸めるようにして横たわる由美がすねたように呟く。

「はぁ?」

「こんなに凄い…と思わなかったもん……なんで隠してたのよ……」

「ば…ばかやろ……かくすったって…普通言う事じゃねーだろーが!…だし…そんな

に…その…凄かった…か……?」

「ん……あたしこわれちゃうかと思った……」

「そ…そうか…?」

 言って瞬はリアクションに困り、サイドテーブルに置いてあるタバコに手を伸ばした。

「あー!」

「んあ…?今度はなんだよ?」

 とがめるような声を上げた由美に、タバコを咥えつつ、怪訝な顔を浮かべる瞬。

 とにかく、動作の流れでそのまま火を点す。

 一本の紫煙が、天井へと昇り立ち………すると、

「『食後の一服』してるぅぅぅぅっ………。それ女の子が一番嫌がるんだよ……」

「え……?あ……そ…そーなの…か……」

 責め立てるような由美の言葉に、咳き込みそうになるのをこらえ、咥えたタバコを慌て

て手に持ち替える瞬。

 だが、まだ火をつけたばかりだし……と、とにかくやり場に困る。

 そして、由美はそんな瞬の困った様子をひとしきり楽しんでから、

「あはは……うーそ☆ そーいうコ多いけどね。あたしは別に…。………でもさ……?」

「んんー、でも…?」

 それを聞き、安心して改めて、深く煙を吸い込む瞬。口の中に広がる味と香りを

ようやく楽しみつつ、軽い口調で聞き返す。

 すると……

「あたし……おいしかった?」

「っ…?!」 

 そして今度こそ、

「げ…げほっ!がはっ…げほっげほげほっがほっ!!」

 瞬は、吸い込みすぎたタバコの煙に、激しく咳き込むこととなった。

   

 ……閉じられたカーテンの隙間、窓の向こうに、いくつもの雪の結晶が、街の灯を受

け、白い軌跡を描いて、舞い降りていた。

 真冬のカナダ。
        
      クリスマスイヴ
 小さな街で迎えた聖なる夜。

 もはや吸うことのできなくなったタバコをもみ消す瞬の背に、由美はそっと告げる。

 「メリークリスマス

 と…………。

                       

           メイプルウッド・ロード〜#1.小雪舞うカムループスの聖夜〜 完。

     

 つづく。(〜#2.ジャグジールームの甘い霧☆〜へ)

 

あとがき
(筆者のたわごとです(^^;おヒマでしたらどうぞ。
また、特に読まなくともまったく差し支えありません)


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